この業界では、Branded Contentとは、バズを起こす単語のようです。もう15、30、60秒の広告をつくるという話ではないのです。むしろ、時間やメディアに捉われることなく、人が自ら見たがるようなコンテンツが求められています。人は、自分の興味のある分野に関するユニークでエンターテイニングなコンテンツに飢えています。インターネットによって、人の見るものが大幅に増えました。モバイル機器のお陰で、人がオンラインで過ごす時間はこれまでに無いくらいに多くなっています。人が求めているのは、広告ではなく、コンテンツなのです!今日の広告にとっての最重要課題とは、ブランドと、その顧客になりうる人たちの間でコネクションを結ぶことなのです。

“Branded Content”がカンヌのカテゴリの仲間入りをしたのは、昨年のことです。カンヌでは、Branded Content and Entertainmentとは、ブランドによるオリジナルコンテンツの創造、または自然な融合と定義されています。ブランデッドエンターテイメントの目的は、既存の広告手法を使用するのではなく、コンテンツプラットフォームを使ってコンシューマーを関わらせることで、マーケティングメッセージを届けることです。英語では、HARD sellという純粋な広告を指す言葉と、少し遠回りをしてメッセージ発信するという意味のSOFT sellといった言葉があります。

前年のBRANDED CONTENTキャンペーンで、私が好きだったものをピックアップしました。

まずは、私の大のお気に入り、Intel &Toshibaの “The Beauty Inside” 。Drake Doremusが監督したソーシャルフィルムです。全6回のシリーズです。

Alexという名の男性が主人公の物語。彼はもう覚えていないほど前から、毎朝違う体で目覚めてしまうのです。彼は毎日その自分の外見をToshibaのパソコンに記録しています。彼の体や外見は毎日変わってしまいますが、中身は変わりません。おかしなストーリーに聞こえるでしょう!でも見てみたら、このラブストーリーに永遠に続いて欲しいという気持ちになってしまいます!Alexとして出演しているほとんどの人たちは、Facebook上のオーディションで選ばれた人たちです。
https://www.facebook.com/thebeautyinsidefilm/app_354740294597258

このキャンペーンの目的はというと、中身が重要というIntelのコアメッセージを、今一度消費者に思い出させることでした。本当にラブリーなストーリーで、素晴らしいメッセージに演出と、全てが完璧なのです。Drake Doremusは凄いディレクターですよ!

広告会社Pereira O’Dellによってアップされたケーススタディ動画です。

全6話はこちらから視聴できます:
https://www.facebook.com/thebeautyinsidefilm/app_374588649262802

次に紹介するのは、こちらも素晴らしいキャンペーンを展開した、オンライントラベルサイト、EXPEDIAの”FIND YOURS”です。

キャンペーンの一部を構成しているのは、個人的な旅行を撮ったいくつかのドキュメンタリーフィルムです。EXPEDIAはキャンペーンに関してこのように言っています。〝私たちはどの旅もユニークで、パーソナルで、物事を変える可能性を秘めたものであることをわかっています。他の何処よりも幅広い選択肢を持つ私たちが、個人個人がまさしく求めているものを提供します。“
ここで全ての動画が見られます:
http://www.expedia.com/p/info-other/findyours.htm

特にメディアの注目を集めていた作品が、”Find Your Understanding”。娘が結婚するという父親を追ったストーリーです。娘の晴れ姿が見られるのですから、父親にとってはもちろんスペシャルな1日でしょう。けれどもこの結婚は、彼が想像していたものとはだいぶ形が違ったようです。娘が相手に選んだのは女性だったのです。彼女はレズビアン。LGBT (Lesbian, Gay, Bi-Sexual, Transgender)の権利向上はアメリカでは非常にホットなトピックとなっています。このように同性婚をサポートしている風に見えるだけでも非難の対象になりうるなか、ブランドはそのリスクを犯したのですが、多数のメディアや誉高いTEDに取り上げられたりするなどして、見事に報われました。思わずティッシュを掴んでしまうくらい素直に表現された作品です。

アメリカのスポーツチャンネルESPNが公開したのがErrol Morrisが監督した”ESPN Team Spirit”。
スポーツファンの普通でない葬式の様子を追ったドキュメンタリーです。この作品のコピーとは〝ファンとは、一生涯ファンである“ 墓場までも!:)

他に印象的だったキャンペーンはFacebook の”Facebook Stories”。Facebookを少し変わった形で活用した面白いものが見られます。沢山ありましたが、私が特別好きだったのは以下の3つ。

Mayank Sharma: His Illness and Recovery(病気と回復)
Mayankは骨髄炎が原因で記憶を失ってしまいました。混乱し、絶望した彼は“People you may know(あなたが知っているかもしれない人)”機能を使って、自身のソーシャルネットワークを取り戻そうとします。

People You May Know from Facebook Stories on Vimeo.

Facebook Stories: We Are All Daniel Cui(わたしたち皆、Daniel Cui)
1年生のゴールキーパーが、シーズン敗北の戦犯とされてしまうと、高校全体が彼を守る為に立ち上がります。100人以上の生徒たちが、自分のプロフィール写真をCuiのものと差し替えるのです。このような救済と、新たに得た自信によって、Cuiは次のシーズンに戻ると大事なゲームで善戦し、チームを勝利へと導きました。

Facebook Stories: Speeding Up Science(科学をスピードアップする)
2011年1月、オレゴン州立大学の魚類学者Brian Sidlauskasが、南米の国ガイアナにある、あまり知られていないCuyuni River周辺に観測隊を率いて乗り込みました。彼のチームは5,000以上の魚を記録のために捕ったのですが、ガイアナの入管のポリシーでは、持ち帰る標本は全てをそれぞれ識別し、記録を付けなくてはなりません。このように限られたスケジュールでは、ほぼ不可能な課題です。Sidlauskasは、リサーチ写真をFacebookにアップすると、これらを識別できる科学界のメンバーたちをタグ付けし、結局は24時間以内に全てを終らせることが出来たのです。

Speeding Up Science from Facebook Stories on Vimeo.

Jaguar F-Series “Desire”はもう見ました?個人的には大好きなのですが、カンヌ予想で、これが取り上げられているのをこれまでに見たことがありません。F –Typeの新しいオーナーに車を送り届けようとする配達人の話です。13分ありますが、十分価値があります!素晴らしい作品!そして新しいJaguarのプロモーションの仕方がとてもクレバーです。Lana Del Reyの音楽がフィーチャーされています!

さて今度はCarlsberg の”Friends to the Test”。ギャンブルで窮地に陥った人が友人に電話で助けを求めた場合、その友人は怪しげな界隈まで迎えに来てくれるのでしょうか。

Branded Content &Entertainmentはこれからその存在感を増すでしょう! カンヌ受賞作品大予想Part.1〜 http://www.aoi-kokusaiblog.com/?p=15988
では、RED BULLの “Stratos”、 Dove “Real Beauty Sketches”、 DC Shoes “Ken Block の Gymkhana FIVE: Ultimate Urban Playground; San Francisco.” 、Volvo “Ballerina Stunt”、 Pepsi Max “Jeff Gordon”をフィーチャーしました。どれもBranded Contentと言えるものです。

これらの中でお気に入りはありましたか?明日も予想は続きます!:)

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http://pinterest.com/kokusaiblog/cannes-lions-2013-predictions/